あたたかな 励み

もう何年もまえから
そのお客様は週末の決まった時間に
現れます。
ほとんど毎週、欠かさずお越しくださいます。

姿勢が美しく、背筋をピンとして座ります。

ランチは玄米で、
そして食後にコーヒーと甘いもの。
コーヒーはブラックで。
と、
いつもと変わらぬ注文をして下さり、
それから月庭文庫でそっと本を選ぶと静かに開くのです。

手に取る本は
字がビッシリ詰まっている本や、
美術書や絵本、と色々なようです。

お料理を運んで行くと
本を読んでおられたり
真っ直ぐに壁に目を向けて、飾ってある絵を眺めてくれていたりします。
KADOさんの小さな絵を飾った時も
一番に気付き「素敵な絵ですね」と仰って下さいました。
お花みたいな方です。

スタッフの中には、本当に花や木の精なんじゃないか！？と信じる人もいるくらい。

月の庭から帰られる時、庭を抜けて角を曲がるとシュワワワン〜といなくなってたりして、、、
と噂しつつ、誰もが無条件に好意を抱いてしまう、そんな方です。

お越し下さるお客様が月の庭でリラックスして過ごして下さること、
それが
単純にとても嬉しく、報われます。

また先日、にこやかな親子連れさんがお越し下さったときのことです。
よくよくスタッフが話を聞くと、
昨年末に愛農高校で行われた結婚式へケータリングに行ったのですが、
その式に参加されていたお客様だとのこと。

しかもその頃、体調不良で食欲のない日が続いていたのに、
その式で出たお料理（月の庭のお料理です！）は
不思議と美味しく食べれて嬉しくなり、
今回お店を訪ねて来て下さったんだそうです。

嬉しいね〜！
とカホリさんをはじめスタッフ全員があたたかい気持ちになりました。

スタッフが少人数なこともあり、
行き届くおもてなしができないところも多いですが、
そんなあたたかいお言葉がいただけるような
あたたかいお店でなくちゃなぁ。と改めて思うのです。

日々のことを丁寧に、１つ１つを丁寧に、
を心がけていれば、よりあたたかいお店になって行けるかなぁ。

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